今年10月から突然始まった介護職員処遇改善交付金及び福祉・介護人材の処遇改善事業助成金は、介護保険事業所及び障害福祉事業所に従事する介護職員等に対し、平均月1万5千円を助成する制度で平成24年度まで実施されることになった。
申請を受け付けた各都道府県窓口は当初9月末までを10月分から交付するための申請期日としていたが、申請準備期間が短かったことや申請率の低さからたびたび延期され、最終的には12月末まで延期され10月分に遡及して交付されることなった。
厚労省が発表した10月末現在での申請率は、全国平均で介護職員処遇改善交付金(介護)が約72%、福祉・介護人材の処遇改善事業助成金(障害)が約60%という数字になっている。
都道府県別の申請率しか公表されていないので申請にどういう傾向があるのか判断することは難しいが、どちらの制度についても「対象職員の制約」や「事務が煩雑」「24年度以降の取扱いが不明」であることが申請を躊躇させているようである。ほぼ同様の制度であるにもかかわらず介護に比べ、障害が10%以上も申請率が低いことも分析が必要であるように思われる。
この制度に対しては様々な問題が指摘されているのも事実ではあるが、だからと言って介護職員に処遇改善できる資金を事業所が申請せずに放棄するのは、これもまた問題である。来年度の申請率も注目したい。
さて、来年度からは事業所におけるキャリアパスに関する要件が追加されることになっており、その要件を満たさない場合は交付金及び助成金が減額される見込みである。
平成22年度介護職員処遇改善交付金の取扱いについて
そのキャリアパスに関する要件の条件や、減額される額などの具体的な事項は示されていないが(今年度の実施報告事項ですら確定されていない)今後のスケジュール案が厚労省から示されており、さらに全国経営協はそれに合わせてキャリアパスガイドラインの作成をすすめており現時点での案を公開しているので、事業所でのキャリアパス設計の参考になるかもしれない。
また、厚労省は介護人材不足解消を不況による失業者への雇用創出で補おうとする「働きながら資格を取る介護雇用プログラム」を策定、各地方自治体へ実施を通達している。
これは従来の緊急雇用創出事業を拡充させて介護雇用に対応したものになるが、求職者に対して介護施設に就労させながらホームヘルパー2級または介護福祉士養成機関へ通学して資格取得させるもので、プログラム参加者の給与及び養成機関の受講料は受け入れた介護施設が事業委託費として国から受け取り、それぞれに支払うことになる。これにより求職者は給与を貰いながら負担なく資格を取得することができ、介護施設も負担なく求職者を雇用できることから、介護雇用が増えて人材育成にもなっていくというものである。
失業者のなかでどの程度、介護分野への就職を希望するかが未知数であるが、特に介護福祉士の資格取得が難しくなることが予定されているので、求職者で介護福祉士を取得したい人にとっては魅力的な制度になる。
「働きながら資格をとる」介護雇用プログラム
政権が交代して初めての年度となる平成22年度は介護福祉においても、どのような良い方に変わっていくのか期待していきたい。
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