社会福祉法人豊寿会:サンライフ彦坂

ひとりひとりの生きがいをサポート~心のケアに笑顔を添えて

平成19年度東海北陸ブロック老人福祉施設研究大会<福井大会>(平成19年7月25日)でサンライフ彦坂が研究発表した内容を公開します。

070725photo.jpg利用者の日常生活・生活背景を尊重し、本人が「やりたいこと、できることは自分でやりたい。」という心を引き出し、日常生活を笑顔で送っていただけるサポートを行うことを目的とする。
各委員会が中心となり、それぞれの角度から利用者ひとりひとりの生きがいをサポートする方法を見つけ出し、全委員会が連携して現実にしていく。施設の中にとどまらず、社会参加のできる働きかけをし、今を楽しく生きたいという心を引き出すサポートを行う。

070725slide00.jpg岐阜県特別養護老人ホームサンライフ彦坂からきました介護員山川有季、斉藤裕樹です。ひとりひとりの生きがいをサポート~心のケアに笑顔をそえて~について発表します。よろしくお願いします。
サンライフ彦坂では、利用者の日常生活、生活背景を尊重し、本人がやりたい事、できる事は、自分でやりたいという心を引き出し、日常生活を笑顔で送っていただける、総合的な個別ケアを実践しています。

070725slide07.jpgサンライフ彦坂では、各委員会を中心とし、活動しています。
排泄委員会では『おむつ0』、入浴委員会では『夜間浴』、介護予防リハビリ委員会では『お茶会・保育所訪問』、食事委員会では『経口摂取』などを中心に取り組んでいます。また、利用者一人一人に、どんな誕生日を迎えたいか、何をしたいか、本人のニーズや、生活歴から読み取り、一人一人の希望に応じた誕生日の過ごし方を考え、作り上げていく個別誕生会、ラーメン屋台、など、様々な行事があり、個別ケアを行っていく上で重要な役割を持っています。

070725slide10.jpgはじめに排泄委員会が中心に取り組んでいるおむつ0について説明します。平成16年から、オムツ0の取り組みにて、おむつから布パンツへの変更を進め、平成19年1月に、ついにオムツ0を達成しました。現在も継続しています。
ここで最後の脱!!おむつとなったMさん男性要介護5の事例を紹介します。Mさんは、脳出血の既往があり、移乗や食事など日常生活全般に介助が必要であり、会話も聞き取りにくい状態ですが、ゆっくりと本人の話を聞くことによって、意志疎通を図ることができます。尿意、便意もあることから、布パンツへの変更を提案しましたが、排泄への不安感が大きく、おむつを手放す事ができませんでした。おむつ0への取り組みを開始してから、2年近くの間、フロア内の全職員で、布パンツ変更への声かけやアプローチを継続していました。ある日、Mさんは、職員との会話の中から、以前、祖父が尿瓶を使用し介護を受けていた事を思い出し、「自分でも使用できるのではないか。」と考えました。「尿瓶ならぬれる事もないからいいよね。」と笑顔で話し、本人の希望で、布パンツに変更することができました。
おむつから、布パンツに変更すると、まず、臀部の発疹が減り、皮膚疾患がなくなりました。また、食事時しか起きる事を嫌がっていたMさんでしたが、「散歩に連れてってほしい。」という前向きな言葉が多くなり、離床時間が大幅に増え、他者とのコミュニケーションも、自分から積極的に図るようになりました。4月から「今よりも元気になりたい。」とマッサージ治療を受けるようになり、Mさんの思いに応えながら、職員が日常生活を援助・支援しています。

070725slide12.jpg次に、介護予防リハビリ委員会が取り組んでいる、保育所訪問とお茶会について説明します。この取り組みは今年度で3年目になり、月一回行っています。以前は、保育所から、施設へ来て頂き、歌やお遊戯を見せてもらいました。それ以外でも、現在では、利用者が保育所を訪問し、園児と一緒に歌を歌ったり、ひまわりを育てたりする活動を行っています。次は、いつ園児と会えるか楽しみにされています。回数を重ねるにつれて、「今度は私が喜ばせてあげたい。」という声が、利用者から出るようになり、自分から何かをしたいというボランティア精神を生み出しました。昨年の訪問時には、利用者手作りのお手玉を園児へプレゼントし、お手玉の遊び方を披露したり、一緒に遊び、楽しい時間を過ごすことができました。

次に、お茶会について説明します。ケアハウスに入居されているAさんが先生となり、お茶の作法を教えて下さっています。昔からお茶に携わってきた利用者の Fさんに話をすると「私もやってみたいわ。」という前向きな声があり、毎月明るい雰囲気の中、参加されています。昨年の文化祭では、地域の人にお茶を振る舞い大盛況でした。

070725slide13.jpg今年から始めた取り組みに、ダンベル体操と紙芝居があります。ダンベル体操を定期的に行う事により、楽しく筋力維持・向上を目指し、ダンベル体操がきっかけで、普段話す機会が少ない利用者同士が、笑顔で会話する姿が多く見られます。ダンベル体操の合間に、昔の人なら誰でも知っている話を、紙芝居にて楽しんでいただくことで雰囲気を盛り上げています。定期的に行う事により、利用者からは、「今日は体操やらんのか?」といった、前向きな言葉があります。介護予防リハビリ委員会は、前向きな心の動きをサポートしています。

070725slide01.jpg次に、入浴委員会が取り組んでいる、夜間浴について、説明します。その人の、今までの生活にそった、その人なりの入浴を導き出す為、生活歴から見直しを行い、一般浴での個別入浴を作り上げました。目指していった内容は、

  • 流れ作業ではなく、一人一人がゆったりとした入浴が出来る。
  • 出来る事は全て自分で行える入浴。
  • 一人一人の生活スタイルにあった入浴を見つけ出す為、1対1でのサポートを行う。
  • 夜間不眠の利用者や、風呂は夜入るもの、と言われている利用者を対象に、19時から入浴する。

の以上です。

070725slide01.jpg夜間浴の対象者Sさん女性要介護3の事例を紹介します。ボディーソープの使い方が、分かりませんでしたが、固形石けんに変えることにより 自分で、タオルに石けんをつけ、洗うことが出来るようになりました。シャワーの使い方がわかりませんでしたが、風呂マットを使用することにより、マットに直接座り、蛇口から洗面器にお湯をためて、掛け湯をしたり、頭を自分で流すようになりました。落ち着いて入浴できませんでしたが、1対1にすることにより、「お風呂に入りましょうか」との声かけに「ああ、そうかね」と言われ、自分から、服を脱いで入浴するようになりました。夜間入浴していただくことにより、現在では、よく眠っています。自分のペースで入浴するようになりました。

070725slide02.jpg次に、食事委員会が中心に取り組んでいる、経口摂取について説明します。Yさん女性要介護4の事例です。Yさんは、脳出血で入院し、入院中食べる意欲がなくなってしまい、鼻腔チューブで栄養を摂っていました。退院時も、その状態でしたが、施設に戻ってすぐ、「私もみんなのように甘い物が食べられるようになりたい。」という事を話されていました。そこでYさんの経口訓練を開始するために、主治医、栄養員、相談員、看護員、介護員が関わり、家族にも相談の上、取り組み内容を決めました。
Yさんの場合は、退院して20日後にゼリー食を開始し、ペースト、極刻み、刻み食に移行し、今年1月の誕生日には、Yさんの大好きなチョコレートケーキを一緒に作り食べました。「甘くておいしいね。全部食べてはお腹いっぱいになるから、半分は残しておくわ。」と笑顔で話し喜ばれました。

070725slide03.jpg次に、個別誕生会について説明します。
個別誕生会とは、月ごとに、集団でお祝いするのではなく、個々の利用者が、どんな誕生日を迎えたいか、誰と過ごしたいのか、何をしたいのか、本人のニーズの聞き取りを中心とし、生活歴からの読み取り、家族からの意見を取り入れ、その人に「夢がかなった!」と満足して頂ける誕生日を、迎えていただいています。それでは、実際の様子をご覧下さい。
昔よく、旦那様と長良川の河川敷で鵜飼いを見た、という思い出話をされていた為、夜の鵜飼い見学に行きました。途中のスーパーで、好きなお弁当とビールを買い、鵜飼いを見ながら乾杯をしました。「せっかくの米寿のお祝いだから、飛騨牛が食べたい」と専門店に行き、お腹いっぱい飛騨牛を食べました。「帰ったら皆に自慢しないとね」と満足そうに話しました。子ども好きで、お話好きな利用者と一緒に、人形劇の鑑賞に出かけました。人形をじっと目で追い、にこにこと笑顔で楽しまれている様子でした。参加していた子どもたちと交流し、思い出に残る誕生日の時間を過ごすことができました。

070725slide04.jpg100人に、100通りの誕生会を行って喜んで頂いています。個別誕生会を実施する一連の流れを紹介します。

  • 利用者にニーズを聞く。
  • 各部署の相談、連絡、介護員のみで決めるのではなく、看護員、栄養員、相談員、事務員にも相談・連絡をし、起案内容によっては家族への確認を行い、起案作成を行う。
  • 決済を得る。
  • パソコンを利用し全職員で情報を共有する。
  • 実施
  • 実施報告

070725slide05.jpg誕生会が楽しみになり、QOLの向上へと繋がっていきます。 個別誕生会を実施する事で、次のような変化がありました。来年の誕生日が楽しみになり、いつまでも現役でいようという自発的な気持ちが芽生え、日々の生活に役割、楽しみを持つようになりました。仲の良い利用者同士で誕生会を行う事により、より一層深い関係を築き上げる事ができました。誕生会をきっかけに生活への意欲が高まっています。誕生会での様子や、その後の利用者の変化をもとに、ケアプランに反映させ、その都度、サービス内容の見直しや追加を行い、実施しています。

070725slide06.jpgまとめ

  • 利用者の皆さんが、自己選択・自己決定をすることにより、自分の夢を実現し、人生の現役で居続けられるようにサポートを行う。職員が、利用者一人ひとりのニーズをより深く理解し、最終的な目標である「その人らしい生き甲斐や、夢のある生活」を送って頂く。
  • 利用者の新しい事に気付き、速やかにケアプランに反映・実践していく。
  • 全職員の視点から、総合的な援助が出来る様になる。
  • 利用者の皆さんが、施設の中だけに限らず、地域や社会に、積極的に参加出来る生活を送って頂けるよう支援・援助していく。

我々は、生きていくことを味わう個別ケアを実践していきます。

以上で発表を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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このページは、hasebee@編集長が2007年7月25日 15:29に書いたブログ記事です。

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