社会福祉法人豊寿会:サンライフ彦坂

クオリティー・マネジメント

平成19年度全国老人福祉施設研究会議<岐阜大会>(平成19年11月22日)でサンライフ彦坂が研究発表した内容を公開します。

071122gifu1.jpg個別ケアを実践し、ケアプラン・援助内容の充実化を図る中で、アセスメントからモニタリング迄の流れに着目した。より質の高い個別ケアを実践するためにはアセスメントからケアプランまでの流れをより円滑化することで、サービスの質を今以上に高める事が出来ると考える。

071122slide1.jpg岐阜市内北西部にあります、特別養護老人ホームサンライフ彦坂から来ました。介護員箕浦智之と谷貴順です。これから、クオリティー・マネジメントについての発表をさせて頂きます。よろしくお願いします。現在の介護保険制度に沿ったサービス提供では、サービス利用者にとってのQOLを維持・向上することのできるケアプランを作成していくことが重要です。このケアプランを作成し、充実したサービス提供を行っていくためには、組織全体としての「クオリティマネジメント」が必要となりました。効果の高いケアプランを作成する流れを考えることが、サービス品質の維持・向上につながっています。

071122slide2.jpgクオリティーマネジメントとは、サービス利用者の要望に配慮しつつ、安全で充実した生活を支援するシステムを確保し、サービス品質の維持・向上を図る体制や仕組みを、組織内に構築し、実践することです。
福祉サービスのクオリティーを高める要素として、「介護スキル」「各種研修体制」「各種記録」「ホスピタリティー」があります。我々がクオリティーマネジメントにて追求するのは、「1.福祉サービスとしての高品質の維持と向上、2.プロとしての自己啓発・組織力向上」です。また、サンライフ彦坂では、こうした思考プロセスを元に行うケアカンファレンスと一連の流れを、福祉サービス提供の心を込めて「生き生きプラン」と呼んでいます。

071122slide3.jpg当施設では、利用者一人一人のニーズ・生活スタイルにあった個別ケアを実践し、援助内容の充実化を図るため、アセスメントからモニタリング迄の流れに着目しました。この一連の流れを円滑にし、利用者の代弁者でもある介護職員の意見を、より具体的に課題・援助内容に反映するすることで、サービスの質を今以上に高める事が出来ると考えました。

071122slide4.jpgケアプランの達成と品質管理の関係を確認してみます。まずは記録の電子化・標準化です。パソコンソフトの導入で、記録の質向上と連携を高めます。次に品質管理です。一番身近に接している現場職からのアプローチを大切にしたケアカンファレンス・生き生きプラン会議を実施します。次が品質保証です。利用者や家族の満足度把握に努め、その結果を「生き生きプラン」の内容に反映させます。これらの段階を経ることで、本来のケアプラン達成へとつながります。

071122slide5.jpg記録の電子化導入に当たって、単なるデータの蓄積では、パソコン入力の手間が増えるだけになってしまいます。蓄積したデータが、効果的なアセスメントの繰り返しの助けとなるシステムが必要です。ここで目指した電子化は、ケアプランの内容を元にして、業務の「指示出し」を行い、その「指示出し」の内容により、日々の援助内容を、どの職員でも同じレベルで把握しながら業務を行い、その結果の事実を記録として残し、その記録を基にしてモニタリングを行うことで、電子化情報を有効活用した効果的なアセスメントを実現します。その内容を、ケアプランに反映することで、指示出しに沿ったサイクルができあがります。

071122slide6.jpgパソコンソフト「ちょうじゅ」の実際の画面を確認しながら、電子化による、いくつかのメリットを紹介します。まずは、「リアルタイムな情報共有」です。各部署にて実施されている記録の一覧画面です。画面の最新表示ボタンをクリックすることにより、各部署にて入力された必要なデータを、いつでもリアルタイムな情報として見ることが出来ます。それぞれに入力した睡眠・食事・バイタルの状況を確認して、入浴を中止するといった作業が、一目瞭然に行えます。

071122slide7.jpg次に、記録の活用です。こちらの画面では、日常の記録を「指示出し」の流れに沿って確認することが出来ます。指示として出された内容に対して、このように、「実施」「未実施」の状況が即座に確認でき、この情報を元に利用者の状態変化に対して、迅速な対応が可能となります。

071122slide8.jpg次に、「記録の数値視覚化」です。この画面では、バイタル・食事量・水分量・排泄量といった好きなデータを、好きな日数のスパンでグラフ化し確認することが出来ます。サービス提供の結果として、利用者の変化などの情報を収集し、グラフ化出来ることで、直感的な分析ができ、より効果的なサービス提供を行えるようになりました。この機能を活用して、総合的な情報共有と、他部署との連携を密に行い、サービスの品質管理を実現しました。

071122slide9.jpgここで、事例の紹介をします。Fさん 89歳 女性 介護度1
本人の不安はあるものの、職員からの見守りがあれば、身の回りのことが多くできる方でした。ある日、腰椎圧迫骨折により入院。痛みが残っているものの退院し、施設の生活に戻りましたが、以前の生活状況からの変化が激しく、職員に依存的になり、無気力・意欲低下により、寝たきり状態での帰所でした。

071122slide10.jpgサンライフ彦坂では、個別誕生会、介護予防リハ、日帰り温泉、保育所訪問など、個別に対応できる取り組みを数多く行っています。Fさんの寝たきり状態から、以前の生き生きとした個性の輝く生活を取り戻すために、「生き生きプラン」と、この個別に関わる催しやクラブ活動を組み合わせて実施するケアプランが完成していったのです。まず、日常的に関わりの深い介護員側から各部署に生き生きプランの考案、プランの提案を行い、Fさんの生活意欲向上に必要なことを考え、Fさんの生活歴や趣味から、書道、お茶会、カラオケ、化粧に着目し、ケアプランに反映しました。

07112slide11.jpg以上の結果、Fさんは、骨折する前よりも、自発的・意欲的にお茶会に参加されるようになりました。それに伴い日々の生活での化粧・軽作業・運動・カラオケ・入浴時の洗身・着脱等、様々なことに対して、積極的に取り組もうとする姿が見られます。見守りと、さりげないサポートが必要な状況に変わりはありませんが、その人らしく生きる姿は、家族や職員の目にも、生き生きと伝わってくるものです。

071122slide12.jpgFさんへのアプローチを振り返ってみます。現場職員の気づきから、他部署への連絡・調整を繰り返し、新鮮な情報を元にして、生き生きプラン・ケアカンファレンスを開催し、プランニングを行い、日々の業務に落とし込む「指示だし」をし、実施・モニタリングというサイクルを繰り返し行いました。意欲の低下や寝たきりの状態は、Fさんが望まれた状態ではなかったのです。今では、日々の生活に自らメリハリをつけていらっしゃいます。Fさんへのアプローチも、こうした流れの中で必然的に起きた出来事の一つです。

071122slide13.jpg考察として、今までの流れをまとめてみると、記録の電子化により、プランニングから実施までの課程が円滑化され、それにより、職員の理解力・認識力による、サービスのばらつきが軽減され、質の高い個別ケアにつなげることができました。クオリティーマネジメントにて、高品質の維持向上を行っていくためには、「介護サービス」「個別性」「品質管理」「品質保証」として、いつ、誰が行っても、同じように実施できることが処遇の統一性に繋がっていることを、実感することができました。クオリティーマネジメントの大切さを再認識することで、福祉サービスの仕事へのやりがいを実感し、誠実にサービス提供を行っていきます。

071122slide14.jpg最後に、我々のクオリティーマネジメントの先にあるものは、すべて、利用者の笑顔であることを、福祉職のプロとして再度確認しておきたいと思います。サンライフ彦坂 The笑顔! ご覧ください。(ビデオ上映)これからも、すべての皆様の笑顔に、感謝の気持ちをお返しできる仕事をしていきます。今回使用した動画像につきまして、ご家族、ご本人様にご了承いただいております。以上で発表を終わらせていただきます。ご静聴ありがとうございました。

このブログ記事と同じカテゴリの記事

最近のブログ記事

JKA競輪補助事業完了のお知らせ
JKA競輪補助事業完了のお知らせ
このたび財団法人JKAから、平成24年度競輪補助...
彦坂の春。
彦坂の春。
ひと雨ごとに温かくなってきましたね。日差しは春を...
寿司祭りをおこないました!
寿司祭りをおこないました!
3月6日(水)寿司祭りをおこないました。 毎年こ...
お寿司のバイキングでした。
お寿司のバイキングでした。
日に日に春らしい気候になってきました。彦坂周辺で...
春が待ち遠しいですね。
春が待ち遠しいですね。
今日は朝から雨が降っています。雪に変わるかも知れ...
Creative Commons License
このブログのライセンスは クリエイティブ・コモンズライセンス.

このブログ記事について

このページは、hasebee@編集長が2007年11月22日 17:31に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「子どもたちのパワー」です。

次のブログ記事は「秋の紅葉バスツアーに行ってきました。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

アーカイブ